TEL相談・俺ってモラハラなの?別居の原因がわからない男性

今回は、妻からモラハラを理由に離婚を付きつけられた男性からの相談です。

しかし、相談者は「自分がモラハラなのか疑問」とのこと。

 

「モラハラ男に自覚なし」の典型なのでしょうか。

彼は「白」か「黒」か…。
坂井先生のわかりやすい離婚の解説も注目です!

 

放送を音声で聞きたい方はこちらから

目次

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今回の相談について

パーソナリティ:加藤諦三

回答者:坂井眞(弁護士)

 

相談者

37歳男性

 

家族構成

妻31歳

長女10歳

次女5歳

 

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相談者の状況

 

 

妻から離婚をつきつけられている。

相談者は離婚をしたくないのでどうしたらいいかを知りたい。

 

1ヶ月前に夫婦喧嘩があり、それをきっかけに妻が子供を連れて家を出てしまった。

現在、別居中で相談者は1人で暮らしている。

 

離婚理由については、妻から「今までずっと我慢してきた。あなたがやってきた事はモラルハラスメントにあたるんじゃないか。」と言われた。

相談者は、どのあたりがモラハラなのか疑問。

 

確かに、相談者自身、時間に細かい所がある。

例えば、「保育園に何時までに送り届けたいから何時までに家をでようね。」と妻に言い、5分でも遅れたら「なんで遅れたんだ!」という感じ。

 

また、妻に怒鳴ってしまう事があり、怖いイメージを持たれてしまっている。

妻は「何をしていても怒られるんじゃないか」と恐怖心を持って怯えている。

 

妻はどういう時に怒られるか予測がつかないと思っている。

妻側からしたら、同じ事をしていても、怒るときもあれば怒らない時もある。

 

どういう時に妻に怒鳴るかというと、話しかけても全然話に応じてくれない時や、他の事に夢中で聞いてくれない時など。

 

さらに、妻が朝帰りをした時に、相談者は怒って扉を壊した事もあった。

その時、妻は会社の飲み会があり、遅くなるとは聞いていた。

 

相談者は「心配だから連絡ちょうだいね」と妻に言っていたが、連絡も無く、朝帰りした。

妻は子供を保育園にも連れて行かず、そのまま寝ていた。

 

このような話を聞いてもらった中で、自分の言動が原因で離婚になるのか教えてもらいたいです。

 

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相談内容

1ヶ月前の夫婦喧嘩をきっかけに妻と子供と別居中。

妻からは離婚をつきつけられていて、原因は相談者のモラハラと言われている。

相談者は時間に厳しかったり、妻に怒鳴ったり、扉を壊した事もあるがモラハラなのかは疑問。

このような話を聞いて、自分の言動が離婚の原因になるのか知りたい。

相談者
妻から私のモラハラが原因で離婚を迫られていますが、離婚したくありません。
さらに、自分がモラハラに該当するのかも疑問です。自分の行動や言動はモラハラに当たりますか?
離婚の原因となるのでしょうか…。

 

 

回答者の意見

引用:デジタルガレージ

 

坂井眞(弁護士)

 

 

まず、離婚の手続きについて解説します。

 

離婚の流れ

 

夫婦間の話し合いで、2人とも納得して離婚届にサインすれば「協議離婚」が成立する。

今の相談者夫婦だと、協議離婚は難しい状態。

 

そうなると、次に離婚の調停を申し立てる。

これは「夫婦関係円満調整の申し立て」という名前が付いているが、申し立てる方としては離婚したいという調停になる。

これは「調停前置主義」と言って、家庭裁判所の離婚調停を経ないと離婚裁判を起こす事はできないという制度。

 

この調停でも話し合いが成立しない場合は、裁判で離婚を求める訴訟を起こす事になる。

訴訟になると、裁判所が認める離婚原因があるのかという点が重要になる。

 

この離婚原因というのは、民法770条1項に5項目書いてある。

■参考:民法770条1項の離婚原因

①配偶者に不貞な行為があったとき。
②配偶者から悪意で遺棄されたとき。
③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
④配偶者の強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 

相談者の場合は、5番目の「婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」ここに当たる。

性格の不一致やDVなどの理由があり「婚姻を続けさせる理由がない」と国が判断した場合は離婚という判決がおりる。

 

しかし小さな子供がいる場合、夫婦が子供を産んで育てるという事は、夫婦の責任になる。

 

例えば1、2歳の子供がいる場合、特別な理由がない限りすぐには離婚が認められないことが多い。

自分が嫌だからと言って、両親2人で子育てする事を辞めるというのは身勝手という判断。

 

相談者の場合は10歳と5歳の娘がいるという事なので、まだ子育ての真っ最中。

奥さんが離婚したいと言っている理由が、ある意味「片方のワガママ」という判断になれば、簡単には離婚は認められないかもしれない。

 

しかし、夫のモラハラで奥さんが精神的に参ってしまうという場合であれば、子のために親が犠牲になるという話ではない。

親が壊れたら子育てもできないので、夫婦が別れた方が子供のためにもなるという判断になる可能性もある。

 

相談者の話を聞くと、特別なDVがあるという話でもなさそうだし、モラハラというのも本当の所はどうなのかよくわからない。

奥さんが、飲み会で連絡もいれないで朝帰りし、そのまま寝ていたというのを聞くと最初から相談者に怯えていたようには思えない。

 

少なくとも相談者がドア壊したとこまでは、奥さん伸び伸びしてたようにも聞こえる。

何か思い当たるきっかけはないのでしょうか。

(相談者:思い当たるのは、気が付いたら奥さんが1人で泣いている事があった。)

 

何年くらい前の話?

(相談者:2ヶ月くらい前…)

 

最近は、奥さんが何か抱えていたという事なのでしょうか。

 

何でこんな事になったのかピンと来ていない感じだが、奥さんが1人で泣いていたという事は、相談者が気づかないストレスにさらされていたという事。

自分の何が悪かったかわからないけど夫婦関係を続けたい、悪い所があればなおしたいという気持ちはあるんですよね?

(相談者:はい、もちろん)

 

それならば、相談者の方からアクションを起こしてもいいのかもしれません。

夫婦関係を良くするために家庭裁判所の力を借りる調停というのもある。

 

いずれにしても、なぜ奥さんが泣いていたのか、朝帰りして喧嘩して別居する事態になっているのか、あなたが理解しないと話は進まないような気がします。

 

 

パーソナリティの意見

引用:毎日新聞

加藤諦三

 

アドバイスとしては、自分の心の葛藤に正直に向き合ってください。

 

あなたの心の葛藤が、相手から見ると目に見えないプレッシャーになっている。

もっと言うと、相手に目に見えないプレッシャーをかける事で自分の心の葛藤を解決している。

 

これが「内的拘束性」です。

今日はじっくり自分と向き合ってみてください。

 

加藤先生締めのお言葉
モラルを持ち出して相手をいじめる。
モラルハラスメントです。

 

リスナーの意見

離婚した方が子供のため。
相談者が怖くて少し遅れただけで家に帰れなくなった。
そして朝になってしまったんじゃないの?

子供を連れて妻が出ていくのは、相当な事ですよ。

奥さん。もう好きな人がいるんじゃ…。

朝帰りでドアをぶっ壊す?!こわいよ!
「モラハラ男は自覚無し」って、あるあるです!

これってさ…。
妻が次にどう出るかを先取りして、先手を打とうとしてるんじゃないの…。
怖い…。

鈍感な男と敏感な女。

ままこの考察

いかがでしたでしょうか。

 

相談者からの話を聞いただけでは、モラハラなのかどうか非常にわかりずらかったと思いますが、私は「黒」だと思いました。

 

注目すべき点は、相談者の話し方です。

「妻に『何時までに家をでよう』『連絡ちょうだいと言っていたんですけど…」って。

語尾に「ね。」をつけて、すご~く柔らかい口調で妻に言ったと印象付けるあたり、匂いませんか?

おいおい。
本当にそんな風に言ったんかい。

 

 

そんな優しい口調で話す旦那さんだったら、奥さんも帰宅が遅れる連絡くらいできますよね。

朝帰りの件ですが、奥さんは相談者が怖くて遅れる連絡ができなかったのだと思いました。

 

考えてみてください。

家を出る時間が5分遅れただけでも激怒する旦那ですよ…。

飲み会からの帰宅が遅れるなんて…。恐ろしくて連絡できないですよね。

 

モラハラ夫に怯える妻で想像してみると。

帰宅時間に遅れそうだが、怖くて連絡できなかった。

家に帰れなくなり、朝帰り。

保育園の送りもできないくらい精神的に追い詰められて怯えていた。

 

という話だとも、考えられないですか?

ここでも相談者が「保育園の送りは妻の仕事」と思ってる感じが伝わってきますよね。
共働きなら、奥さんが疲れて寝てる時くらい自分でやれや。

 

 

そもそも、相談者がこうなった原因を理解していないあたり、モラハラあるあるすぎます。

こんなにも奥さんが追い詰められているのに、ろくに話し合いもしていないなんて、対等に話し合いもできないほど相談者が怖いという事です。

 

他のTEL相談でも、
モラハラ疑惑の男性からの話は、自分を良く見せようとするので非常にわかりずらいですよね。
毎回「奥さん側の言い分も聞かせて!」と思います。

 

私はこの夫婦、離婚しかないのかなという印象ですが、あなたはどう思いましたか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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