
今回は、夫が亡くなってから、不仲になってしまった兄弟を持つ79歳女性からの相談です。
「自分が亡くなった後、2人に仲良くしてもらいたい…」なんて相談をしますが、本当のところは…?
大迫先生の洞察力が相談者の本音を引き出します。
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目次
今回の相談について
パーソナリティ:今井通子
回答者:大迫恵美子(弁護士)
fa-check-circle相談者
79歳女性
fa-check-circle家族構成
夫…6年前に死別
長男56歳
次男51歳
相談者の状況
相談者は現在一人暮らし。
夫が亡くなった6年前から、息子同士がほとんど会っていない。
次男が、相談者とも長男とも会ってくれない状態。
相談者が亡くなった後、息子2人に仲良くしてもらうためには財産分与をどのようにしたらいいか相談したい。
次男が疎遠になったきっかけは、長男夫婦の家を建てるお金を相談者が半額出したことを知った事から。
当初は、長男夫婦と相談者夫婦で同居するつもりだったので、家を建てるお金を半額だした。
しかし、現在、長男夫婦と同居はしていない。
長男宅の方には友達がいないので、行く事はあっても一緒には住まない。
家を建てる時に、相談者が出した金額は1500万円ほど。
どうやら、次男はこの事がおもしろくない様子。
相談者は夫が亡くなった時に、次男には少ししか遺産をあげていない。
まだ残っているものがあるので、それをどうしたらいいのかと悩んでいる。
長男は、相談者の面倒を見ないから次男にはお金をあげたくないと言っている。
相談者は手術や入院を数回しているが、次男はその面倒を一切見なかったのでそのことを言っているのだと思う。
相談者の遺産は6千万ほど。
現在、相談者はサークル活動に参加できるほど元気。
普段は長男がたまに来るだけで、ほとんど一人で過ごしている。
次男はほとんど来ないが、お金が欲しい時だけ来る。
これまで次男には1000万円ほどあげているが、長男にはあげていない。
長男はお金を出してくれることはあっても、こっちから出した事は無い。
次男には「お父さんの三回忌だから来たら?」とメールしたりしても音信普通。
次男は「お兄ちゃんに面倒みてもらえば?」という態度。
このような状態で、遺言書などはどのように作ったらいいのかを知りたい。
相談内容
fa-check-circle夫が他界した6年前から、次男と長男が全然会っていない。
fa-check-circle次男は長男宅を建てるお金の半額を、相談者夫婦が出した事がおもしろくないらしい。
fa-check-circle次男には夫の遺産を少ししかあげていないので、残っているものがある。
fa-check-circle長男は「あいつは親の面倒を見ないから遺産をあげなくていい」と言う。
fa-check-circle私が亡くなったあと、2人が仲良くなってもらうためには財産分与をどのようにしたらいいのか。
夫が亡くなってから、次男が寄り付かなくなってしまった。
今は長男に面倒を見てもらっているが、次男にも残しているものがある。
私が亡くなった後、2人が仲良くなるためには財産分与をどのようにしたらいいのでしょうか。
回答者の意見
大迫恵美子(弁護士)
遺産の分け方によって兄弟の仲が悪くなる事はあるが、仲が良くなることがあるのか疑問。
すでに兄弟は仲が良くないんですよね?
(相談者:主人が亡くなってから、ほとんど会っていないと思う。)
それが疑問。
どうして相談者を中心に集まってこないのでしょうか。
これを言うのは失礼かもしれませんか、次男は相談者と仲が悪いのでは?
次男が「お兄ちゃんに面倒みてもらえば」と言うという事ですが、小さい頃から兄弟に差をつけて育てましたか?
(相談者:いえ。かえって下の子のほうが甘やかしました。)
それは客観的にそう思っているという事でしょうけど、次男はそう思っていないのではないでしょうか。
親は平等にやったと思っていても、お互いにひがんだことを言うというのはとてもよくある事。
また、相談者の「平等に扱った」という事のはかり方にも疑問。
同じくらいのものをあげたとか、同じくらい経済的に援助したと、この事だけで見ていると間違ってしまう。
例えば、何かあった時にお兄ちゃんにばかり相談している、とか、お兄ちゃんの意見ばかり取り入れられるという場面を小さい時から見ていると、「お兄ちゃんの人格の方が尊重されているんだ」というような感覚を持つ。
これは、ひがみの原因になる。
もちろん、次男の方が経済的に甘やかしたとか、いい学校出してもらったなども、後から揉めたりする。
しかし、実はその陰で、お兄ちゃんのいう事ばっか聞いていたとか、お兄ちゃんの意見ばかり尊重するという感覚が、大きな心の傷になっている場合もある。
「亡くなってから仲良くしてほしい」なんて言っているけど、本当は今仲良くしてもらいたいんですよね?
(相談者:そうです。それ。今、一緒にここにきてみんなで…というのが本音です。)
それが本音ですよね。
本当は「亡くなった時に、どう分けたから兄弟が仲良くするか」じゃなくて、次男に「あなたにもこうやって残しているんだから機嫌なおして」って思っているのではないでしょうか。
次男のお嫁さんとはうまくいっていますか?
(相談者:お嫁さんは国際結婚だから言葉がわからないのもあって…。夫婦仲は良い。)
そのあたりも原因かもしれない。
お嫁さんが受け入れられていないと思って逃げ腰になっているかも。
でも、本音はわかりましたので、そんな遺言状なんて言っていないで本音に従って結果が出るように動いてください。
(相談者:はい。今度はメールじゃなくて電話してみます。がんばってやってみます。)
パーソナリティの意見
引用:講演依頼.com
今井通子
弟さんのほうが金銭的に困っているのですか?
(相談者:そうですね。)
お兄さんの方は金銭的に問題しないんですね。
話をずっと聞いていると、弟の方が気になっているみたい。
ご自身が亡くなった時に平等にしなきゃいけないんだけど、弟さんの方に多めに残さないと危ないかな、と思っているのでは?
(相談者:はい、それもあります)
もっと頻繁に「遊びにきてちょうだい」と言って、その時にときどきお小遣いをあげていればいいのでは?
お金を無心しに来た時だけ、無心にされたもの全部あげるのではなく、何回かに分けてみてはどうですか。
やってみましょう。
リスナーの意見
話し方から毒の強さがにじみ出ていますよ。
相談者が亡くなった後、たぶん息子さんたち揉めないですよ。
原因はあなたです。
兄弟姉妹が大人になったら不仲になるって、そんなに珍しい話じゃないと思う。
もうあきらめて、元気なんだから自分の楽しみ見つけたら?
亡くなったら…。なんて言っていないで、生きている間に一歩が踏み出せそうで安心した。
本当に電話してよかったですね!
ままこの考察
今回も大迫先生が相談者から本音を引き出す展開は見事でしたね。
私は、この相談者には「お金の価値観」しか無いように感じました。
次男の方が甘やかした、というのも蓋を開けてみれば金銭面の話であったり、遺産の分け方で兄弟仲が修復すると思っていたり。
次男が腹を立てている理由も「私たちが家を建てるお金を半額出した事」と決めつけていたりしました。
そもそも、夫の遺産を少ししかあげていないという時点で、夫からの遺産を独り占めしてお金で周囲をコントロールしようとしていたのが見え見えな気がします。
長男夫婦がお金をもらわないのも、「俺たちはお金で支配されないぞ」という意思の表れかも?!なんて深読みしてしまいました。
あと、ちょっと話し方が偉そうですよね。
リスナーの意見にもとても多かったこの話し方ですが、この常にマウントとられているような話し方では、なかなか人は寄り付かないと思います。
この相談者はお金でない価値観で物事を見るべきだし、上から目線ではなく「寂しいから会いに来て」と言う素直さが必要ですよね。
あなたはどう考察しますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。