TEL相談・心理の仕事に就きたい!現実逃避中の20歳無職がああ言えばこう言う神回

今回の相談は、20歳のニート男性が「心理の職業をやらなければならない」と思っているという相談。

蓋を開けてみれば、大学は行きたくない、本が多すぎて何も勉強はしていない、とめちゃくちゃなのですが、もっともらしい言い訳を言い続けます。

加藤先生が彼の症状をズバリ言い当てる神回。

では、参りましょう。

放送を音声で聞きたい方はこちらから

目次

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今回の相談について

パーソナリティ:加藤諦三

回答者:三石由起子(三石メソード主宰・作家・翻訳)

 

相談者

20歳男性

 

家族構成

父53歳
母54歳
※現在、3人暮らし

 

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相談者の状況

 

相談者は20歳男性。

父53歳、母54歳と3人暮らし。

 

現在、無職だが、心理や精神系の職業に就きたいと思っている。

人の内面について知りたいと思っている。

 

知識だけ身につけるのではなく、現実に確認できるような…できるだけ、生の人と接するような環境に身を置きたい。

そういった場合は、どのような職業がいいか相談したい。

 

2年前に専門学校を卒業したが、そこは会計の専門学校だったため、心理学などとは関係が無い。

その会計の専門学校も1年か半年くらいで行かなくなってしまった。

 

学校に行かなくなってから、引きこもって考えて、心理系の職業につきたいと思った。

(加藤諦三:今あなた「引きこもり」という言葉を使ったんだけど、今は引きこもっている感じなんですか?)

 

人を知りたいという事で、パブに就職した。

しかし、そこで「やっぱり違うな」と思ったので辞めて、少し疲れたので休んで、今に至る。

(加藤諦三:大学に行って、心理学を勉強しようとは考えていないのね?)

 

考えますけど…。

でも、余計な事まで考えたり…。

 

大学となると、一般教養とかもあるし、入試とかもある。

講義とか通さなくても、独学で学べるならそっちの方が時間短縮になると考えている。

(加藤諦三:うーん…。友達は?)

 

あー…。いません。いません。

(加藤諦三:会計から心理と言うんですけど、今勉強している事とういのはどういう事?)

 

今は全くやっていないです。

これから勉強に向かおうとしているので。

あまりにも本が多すぎて、どうすればいいのか…というのが現状。

 

加藤諦三:

そうすると、こういう事になりますね。

心理学を勉強したい。だけど、勉強できるけど、あまりにも本が多すぎる。

 

大学に行ったらどうだ?入試があって、不必要な事ばかりやる。

大学に行っても、心理学ばかりじゃなく一般教養もやらなきゃならない。

 

そんなの無駄だと。心理もたくさん本がありすぎて…。と。

これって、まず、普通の人とどこが違っているんだと思う?

 

あまりにも効率を求めすぎていると思います。

 

加藤諦三:

建築を勉強しようと思っても、法律を勉強しようと思っても。

広い教養も必要だろうと、普通に考える人はいるわけです。

 

事に、あなたの場合、心理ですよね?

人間の心を勉強しようという時に、教養は意味ないって考え方、どこかおかしいと思わない?

 

あ、完全に意味がないというわけでは無いんですけど。

私の目的は、現実をはっきりと直視する事。

 

そのための材料集めがしたい。

だから、それを先行して…。

 

それが生きている間に完成するかわからない。

なので、一般教養とかそういうものを、出来るだけ省かないと、到達できないなと思っている。

 

加藤諦三:

そこら辺のところ…。

今、自分で「現実を直視する」と言ったんだけど、実は現実から逃げているという風に思った事はある?

 

確かにありますね。

ただ、どうすれば効率的に勉強できるか…。

考えている部分とか…あと、自分は本当に何がしたいのか…。

と、思っていますけど…一応。

 

加藤諦三:

うーん…。

例えば、物凄く跳び箱の好きな人がいて、跳び箱を一生懸命やっている。

 

跳び箱をする時に、「どうしたら効率的に跳び箱を上手く飛べるか」という事を考えて、跳び箱を飛ばないという事があると思う?

 

まぁ…好きだったら、別に気にしないでしょうね。

 

加藤諦三:

やりますよね?

跳び箱を飛びますね?

となると、あなたは心理学が本当に好きなのかしら?

 

好きではないと思います。

ただ、やらなければいけないと、考えているので。

 

加藤諦三:

あなた「現実を直視する」と言ったけども、実はあなたが現実から逃げているという風に思うんですけど。

 

 

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相談内容

相談者は現在無職だが、心理の仕事に就きたいと思っている。

会計の専門学校に入学後、行かなくなり、引きこもっているうちにそう思い始めた。

心理を勉強したいが、大学は一般教養や入試があり効率が悪いと思っている。

生の声を聞きたいとパブに就職した事もあったが、それも違った。

私が心理や精神系の職業に就くにはどうしたらいいでしょうか。

 

回答者の意見

引用:三石由起子HP

三石由起子(三石メソード主宰・作家・翻訳)

 

えーと…。

あなたは心理学を勉強したいというのが目的ではなくて、それで稼ぎたいんでしょ?

 

相談者:

いや、お金には興味ないです。

会計を目指したのも、公認会計士というのが金銭的に有利なのですが。

でも、お金を稼いでも何になるのでしょう?

 

あ。暮らせるわけですか?

(相談者:暮らせるだけのお金さえあればいいと思っています。)

 

他の事で稼いでもいいって事?

 

相談者:

はい。お金なんか、どうでもよくて。

ただ、生きている時間が惜しいので、ちゃんとした使い方をしたいんです。

 

はぁ。

それなら、図書館に行けば、いくらでも心理学の本はあるじゃないですか。

それでいいと思うんだけども。

 

あの、一番厳選しているのが大学のプログラムですよ。

これは、みんなで考えて、一番効率がいいもので組んでいるわけですから。

 

だから、例えば心理療法士や臨床心理士になりたい、直接、人と触れたいという目的があるなら、心理学をやるのに無駄な事というのは無いのであって。

やっぱり、大学に入るべきですよね。

 

で、4年制の大学か、大学院の修士で心理学を専攻したものでなければ、この心理療法士の試験というのは受ける資格がないんですよ。

それで、4年制大学だと5年。

大学院の修士だと1年の、さらに実務訓練がいるんですよね。

 

そういう事を全然したくないんだったら、神学校という手もあるんだよ。

キリスト教の神学校ですよね。

 

キリスト教の神学校には入る資格があって、洗礼を受けてから1年経たないと神学校の受験資格はない。

神学校に入って心理カウンセラー、あるいは、スクールカウンセラーになるという事であれば、最低4年、5年、6年っていう風にかかってくるわけだよね。

 

寿命いくつまであるかわからないけど、ずっとグズグズ、グズグズ、悩んで本を読むってのも1つの方法だと思いますよ。

お金なんかどうでもいいって事であればね。

 

ただ、何もしないっていう方が無駄じゃない?

やってみた後で無駄ってよりも、何もしないものの無駄の方が、どうしたって無駄じゃないですかね?

 

動かないと。

 

相談者:

えーっと…それで、この相談と共に、人間関係の不安という事も相談したいわけです。

社会に出るといろいろな価値観の違いがありますよね?

 

そうすると、相手に自分の考えいている事が伝わらないという事が起きるわけですけど。

どうやって乗り越えていくべきでしょうか?

 

価値観っていうのはね、二十歳で持っているはずないですよね?

持っていないですよ。

 

もしあるんだったら、あなたの語彙力の不足ですね。

伝わらないはずがないです。

(相談者:伝えたら、相手に殴られるとか、そういう事が懸念されるんですけど…。)

 

あのね。

精神科の病院に行ったらいいと思うんだけど。

精神科の病院だったら、もちろん殴りませんよね。相手の先生は。

 

そうすると、コミュニケーションの方法も教えてくれるだろうし。

もっとゆっくり、あなたの知りたい事を専門的に答えてくれると思うし。

 

自分が患者になって、相手の意見を聞くという事で、あなたはもっと勉強ができるかもしれないし。

(相談者:一応、行ってみたんですけど、異常はないと言われたんで。)

 

もう一つは教会。

ありとあらゆる教会で、神父や牧師が無料カウンセラーをやっています。

 

それから、あなた高校は出てるよね。

高校には95年からスクールカウンセラーというものを必ず置いてありますから。

 

母校に行って、スクールカウンセラーに話してみる。

もちろん、卒業生も使えます。

 

相談者:

いや、専門学校にカウンセラーの方はいたんですけど。

結局、「親に話せ」みたいな結論で無理矢理、締めくくられたんですけど…。

 

だから、1人と言わないで、いろいろ行ってみたらどう?

何も、そんな狭く、1人に言われたからって思ってる事ないじゃない。

どんどん動いてごらんなさいよ。

 

相談者:

それはわかりました。ちゃんと聞いておきます。

 

でも、人っていうのは主観的すぎませんか?

自分の目の前にある事でも、見たいものしか見ないじゃないですか。

 

だから、こちらが何を言おうと、自分の価値観だけを正しいとして、こちらの価値観を全く認めないわけです。

具体例をあげれば、パブに勤めてみたんですけど…。

 

いやだから。

具体例いらないけどさ、私何度も言っているように、二十歳の人間に価値観があるはずがないですよ。

 

相談者:

とりあえず、ここまでの人生で得た価値観はあると思うんですけど。

そういう風に、断ち切ってしまう事が誤りだと思うんです。

 

うん。

だから言葉を変えれば、二十歳の人間の持っている価値観を誰も知りたくない。

だから、聞いてもらえないんです。

 

 

パーソナリティの意見

引用:毎日新聞

加藤諦三

 

あなた、今、自分が何を恐れているんだと思います?

(相談者:わかりません。はい。)

 

自尊心が傷つく事を恐れているんですよね。

つまり、働いていない、勉強していないの口実。

 

その口実を色々見つけて、話しているだけなんですよ。

本当の一番底にある感情は、「勉強したくない、働きたくない。でも、自分は偉い人でみんなから認めてもらいたい」

(相談者:あぁ。それはありますね。)

 

それをしっかり認めない限り、三石先生のいいアドバイスをいただいても、全部抵抗してくるんですよ。

自分を栄光化しているだけ。そして孤立するの。

 

孤立と栄光なんですよ。でしょ?

(相談者:はい。)

 

だから、三石先生が言ったように、誰も聞かないの。

普通はこれ、誰も聞きませんよ。

 

だって、みんな本音はわかっているんだもの。

働きたくない、勉強はしたくない、だけど立派な凄い人で生きていきたい。

 

そして、そのための口実として、極めて答えるのが難しい事を次から次へと持ち出して、そして逃げているだけの話。

(相談者:なるほど。)

 

これを「迂回ノイローゼ」って言うの。

きちんと道を歩まないで、迂回していくんです。

 

「大学の入試が…」とか言ってるけど、勉強するのが嫌なの。

そして、落ちて傷つくのが嫌なの。

 

だから、「入試がくだらない」という言い方をする。

「大学に入って、一般教養を勉強するのが意味が無い」と言うの。

 

大学に落ちたりなんだりして、自尊心が傷つくのが怖い、勉強したくない、働きたくない。

そういう事を全てひっくるめて、それを正当化するために、いろんな事を並べているだけなんです。

 

そして、あなた「現実を直視する」と言ったのは、心の底であなた、現実から逃げているという事を、一番よく知っているんだよ。

あなたは現実を直視していないんです。

 

現実を直視していない自分を知っているの。

だから、「私は現実を直視したい」と、まったく反対の事を言っているだけなんです。

 

ここから出発しない限り、40年経っても、60年経っても、80年経っても同じ事言っていますよ。

メリーゴーランドみたいに同じところぐるぐる回っているの。

 

わかりました?

(相談者:はい。どうもありがとうございました。)

 

 

加藤先生締めのお言葉
オーストリアの精神科医のベラン・ウルフが「迂回ノイローゼ」と言っています。
誰でも答えられないような問題を出して、今から逃げている人です。

 

 

リスナーの意見

今回のはすごく勉強になった。
「迂回ノイローゼ」私も思い当たる節あります。

三石先生は、相談者の心理系の仕事につくにはどうしたらいいかって質問に答えてるのにね。
相談者が、ああ言えばこう言うでかみ合ってない。

加藤先生はやっぱり素晴らしい。
的確だ。

少し聞いただけで、「こいつはダメだ」と思った。

三石先生と加藤先生って珍しくない?
これ聞いても、全然相性悪くないのになんで一緒にやらないんだろう?

いたいた!こういう人いたよ!
迂回ノイローゼって言うんだね。

これさ、聞いてて誰でもわかるよね。
プライドと理想は高くて能力は低い。
どうしようもない二十歳。

ままこの考察

 

ちょ。おま。いい加減にしろや。

なんて思ってしまったのは私だけでしょうか…。

 

このような症状は「迂回ノイローゼ」と言うんですね。とても勉強になる回です。

 

さらに、迂回ノイローゼの人は、「もっともらしい嘘を言う」という特徴があるそうです。

 

「大企業よりも、小さい会社の方が学べる事が多いから、この会社に入ったんだ。」

「うちの子はあえて私立に行かせないのよ。どんな環境でも強くなってもらうために。」

いるいる、こんな人。

 

「言い訳を言うために、人生を生きている」みたいな人です。

一見、ポジティブ思考のようにも思えますが、ポジティブというより、無理矢理に自己正当化という感じ。

 

本当に心からそう思っていれば、問題ないのですが。

本心では、そう思っていない人の「言い訳」には、不思議となんだか嫌~な感じがするもんですよね。

この相談者の話のようにね。

この相談者の場合、「働きたくない、勉強したくない。でも、プライドばかり高くて、どう生きていけばいいかわからない。」こんな相談ができる性格だったら、もっと生きやすい人生だったはず。

 

また、三石先生と加藤先生のコンビというのも、とても珍しい回ですよね。

リスナーによると、昔は三石先生と加藤先生のコンビもよくあったそうです。

 

しかし、三石先生が回答した後、加藤先生が違う回答をしたりして、それを聞いた三石先生が「余計な事を言うんじゃないよ」と言い捨てる回もあったとか…。

そんな回があったんだ!

 

この回を聞いても、全然相性が悪いようには思えないですよね。

確かに未来思考の三石先生と、過去の原因を探る加藤先生は根本的に理解できないものがあるのかな。

 

2人の関係はさておき、「迂回ノイローゼ」がよく理解できる神回だったので紹介させていただきました。

あなたはどう考察しますか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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