
今回は、霊が襲ってくると幻覚・幻聴に苦しむ娘さんを持つ母親からの相談です。
電話越しに娘さんの奇声が聞こえる放送事故ギリギリの回。
話から伝わってくるのは相談者の無関心。
とにかく参りましょう!
fa-check-circle放送を音声で聞きたい方はこちらから
目次
今回の相談について
パーソナリティ:ドリアン助川
回答者:高橋龍太郎(精神科医)
fa-check-circle相談者
71歳女性
fa-check-circle家族構成
夫…13年前に他界
娘36歳
※現在、相談者と娘と2人暮らし
相談者の状況
娘が霊に取り憑かれたという相談。
(ドリアン助川:えっ?!)
「誰々さんの霊が私に襲いかかって、『殺してやる』と、そういう声がする」と言って、怖い怖いと言っている。
娘が言うには、喘ぎ声のような感じで「うううう~うううう~」という声で霊がやってくると言う。
娘は36歳で、相談者は71歳。夫は13年前に亡くなっている。
娘は独身で、現在相談者と2人暮らし。
現在、娘は仕事をしていない。
ケアマネの資格の勉強をしていて、資格を取るという事で一旦仕事を休み勉強に専念している状態。
しかし、人と話をする機会が無くて、本人はパニックになってしまった様子。
また、親や先生から「しっかり勉強して資格を取るんだよ。」と言われた事によるプレッシャーもあるのか。
娘は20歳過ぎてから、眠れないという理由で精神科に通い始めた。
眠れないという症状が大きくなっていき、精神安定剤のような薬をもらうようになった。
それからずっと精神科には通っているため、このような状態になってからも、月1回くらい軽い薬をもらう事はしていた。
(ドリアン助川:それまで仕事上でトラブルを起こした事とかは?)
※電話の後ろで奇声が聞こえ出す
人間関係で上手くいかない事はたまにあったみたい。
(ドリアン助川:あ、なんか声が聞こえますけど…)
※奇声
あ。本人がね、そういう霊が来るとか行ってね。
ドリアン助川:
今ここで聞こえているような事が起きているというわけですね?
大丈夫ですか?今喋っていて?
うん。大丈夫です。
娘は夜寝ている時に、そういう霊の喘ぎ声が聞こえると。
一時よりは少なくなったとも言っている。
2ヶ月前くらいに、精神科に行った時の事。
相談者が「せっかくなので、資格のテストを受けたいから…」という事を先生に言うと、「じゃあ、少し薬を強くしましょう」と言われた。
それで、一時は眠れたようだけど、強い薬を飲んでいると本人も胃を悪くしてしまう。
(ドリアン助川:先ほど聞こえた声は悲鳴のように聞こえたんですが…。普通の生活はできるんですか?)
大丈夫です。
ドリアン助川:
うーん…。
娘さんは「声が聞こえてくる、みんなに見られている、監視されている」などの様々な症状があって…。
精神科の先生は診断してくれると思うんですけど、なんと言われています?
「暴走」と言うか…ぼう…。
どういったら、幻が出ると言うか…。ちょっと…。
(ドリアン助川:妄想?)
あっ。もうそう…。もうそう…。
妄想ですね。
現在、娘は「霊が怖いからお母さん一緒に寝て」と言ってくるので同じ部屋で寝ている。
また、占い師の先生に除霊をしてもらっていた。
娘が占い師の先生に電話をして「その人が来ないようにしてください」と言っていたようだった。
その当時は、自分は仕事をしていたので、そういう事をしているとわからなかった。
娘は、試験勉強ばかりで圧迫のような状態になっていた。
その試験というのは、もう済んでいる。
テストには行ったが、合格はしなかった。
しかし、たまたま他の所で採用になったので、2、3日後に行く予定。
相談内容
fa-check-circle資格試験を控えていた娘が霊に憑りつかれたと言って怯えだした。
fa-check-circle娘は20歳過ぎから精神科に通っていたので、現在も薬を飲んでいる。
fa-check-circle娘は試験勉強によるプレッシャーでこのようになったのかもしれない。
fa-check-circle精神科の先生からは強い薬をもらったが、胃が荒れてしまうとのこと。
fa-check-circle娘は試験には落ちたが、別の所で採用をもらったので2~3日後から働く予定。
回答者の意見
引用:毎日新聞
高橋龍太郎(精神科医)
20歳から病院に通っているというのは不眠だけ?
他の症状は無かったの?
(相談者:そうです。はい他にはない。)
今通っている先生は精神科の先生?
(相談者:そうです。初めから自分が信じて、ずっと同じ先生。)
じゃあ、もう信頼感はあるんだね。
そしたら、その霊が憑いて妄想が出ているという状態を「これはどういう病気ですよ」と、お母さんは説明を受けたの?
相談者:
受けません。「妄想が出ているからちょっと薬を強くします」と。
そして、「試験があるのでその時まで元気にしたいんですけど」と言ったり。
出された薬はちゃんと飲んだの?
相談者:
ずっと飲んでますけど…。
最近、「眠れることは眠れるけど、飲むと胃が悪くなっちゃうから、もうやめる」と本人は言っています。
これは、放っておけば良くなる、もしくは、占いの先生に除霊を頼めば良くなるってものとは違う。
もう、脳の故障だからね。
胃が荒れると言うなら、荒れない薬もたくさんある。
なので、主治医の先生にきっちり向き合ってもらって、薬も過不足なく飲むという治療をしないと…。
今、ちょうど病気になり始めの一番重要な時期だから。
この時期に薬物療法がうまくいかないと、幻聴や妄想を5年も10年も抱えて生きていかなきゃいけなくなってしまう。
今、お薬さえ予防的に飲んでやっつけてしまえば、二度とそういうものが出てこない状態にする事は難しい事じゃない。
それが、試験を理由にとか、就職を理由にとか…。
色んな事を理由に、例えば10飲んでくださいと言われているものを、半分しか飲まないなどしていると、症状が消えないまま。
こうなると、後々一生懸命治療しても消えなくなってしまう。
まして、その除霊とかに騙されていないよね?
相談者:
実は…。私、昨日近所の人に相談したら、「そんなの騙されてるよ」って言われたんですよ…。
なので、こちらへ相談してみたんです…。
それで、騙されてはいないの?
お金いくら寄こせなんて、言われてないの?
相談者:
あの…請求書が来ますので。
娘が「自分が今まで寂し…。お母さんに相談すると…。相談する人がいなかったから、そこへ電話がしたかった。」と言った。
請求書には40万、30万、40万と書かれていて、ずっと払っていた。
合計170万くらい。
ええええええぇぇぇ…。
170万払っちゃったの…?!
それは、本当に騙されているとしか言いようが無いんだけど。
もし、そんなお金があるならね…。
お薬の飲み方も不定期なようだし、それこそいっその事、完全にそれが消えるまで入院治療をするとか。
本人が嫌だと言っても、精神科の先生と協力をして、今の症状が完全に消えるまでお母さん頑張らないと。
例えば、お薬飲まなくても月1回の注射で済む治療だってあったりするから…。
いろいろ組み合わせて、今きっちりと治療しないと騙される一方だよ。
そうじゃないと娘さんが救われない。
相談者:
それでね…。
娘はそれだけお金を使ってしまったので、「もう働くから。働くから。」って言ってすごく焦っているんです。
だから、焦らなくてもいいから。
とにかく、きっちり治すように娘さんを、その精神科医の先生と一緒に説得しなさい。
それから、お母さんは請求書が来たって一切払う必要はない。
お母さんちょっとしっかりしないと。娘さんのために。
パーソナリティの意見
引用:Wikipedia
ドリアン助川
今が勝負時ですからね。
科学的にいきましょうね。
リスナーの意見
完全に精神疾患だな…。
娘さんかわいそうに。
この親子は第三者が介入しないと救えない気がする。
自分でも騙せそうだもん…。
お母さんがしっかりしないと。
事の重大さがわかっていない!
この状況で仕事なんてできるわけないでしょ!
「ケアマネの試験だけは…」とか、「2、3日後に仕事がはじまる」とかさ。
お母さんサイコパスすぎないか?
伝説のガチャ切り教師や、猫のお世話の大学院生よりも怖い。
個人的には今までの人生相談の中で一番怖いです。
ままこの考察
いかがでしたでしょうか。
私は、この母親は世間体の事しか考えていないように思いました。
本当の意味で、娘には関心がありません。
関心ないからか現実逃避からか、忘れただけでは?
しどろもどろな話し方は何か重大な事実を隠しているようにも、ずっと言い訳をしているようにも感じます。
それは、周囲の人に対する言い訳。
娘さんこんなにもボロボロなのに、意識は外に向いています。
もうこの時点で、本当の娘さんの姿とは向き合っていない事がわかりますよね。
娘さんは心の病気で仕事ができないと認めないと。
皆さんも、この相談者の「てっとり早く娘を普通の状態へ戻したい」という気持ちだけは、強く感じたのではないでしょうか。
私は、占い師に多額のお金を払い続けてきたのも、この気持ちからだと考察します。
精神科の治療で科学的に治すとなると、入院したり、良くなるまで働けないなど、相談者にとって痛みを伴います。
「世間体」という痛み。病院通いで働いていない娘さんという周りからの目。
一方、除霊で治るなら、パッと魔法のように「理想的な娘」になる!と、相談者にとっても都合が良いんですよね。
相談者自身も「これで治ってくれ!」と、藁にも縋る思いで払い続けたのだと…。
それにしても、高橋龍太郎先生も絶句していましたが…170万には驚きました。
ガチャ切り教師と同じで、このタイプの母親と言うのはお金を出し惜しみしないですよね。
加藤先生曰く、お金を出したり、物質を買い与える甘やかしは、甘えの欲求を満たす事とは違うそうです。
■加藤先生の子育て論
子供は母親の関心をひきたいために「赤い車が欲しい」と母親に言う。
「はい。どうぞ。」とすぐ買い与えると、母親の関心は得られていないため、また「青い車が欲しい」と言い出す。
子供が本当に欲しいのは、赤い車じゃなくて母親の関心という事に気づく事が重要。
子供が「赤い車が欲しい」と言ったら、母親は「赤い車ってどんな車?消防車の事かな?それとも赤いスポーツカーの事?一緒に探しに行こうか!」などと、関心を示す事が必要。
これは、昔テレフォン人生相談で聞いたのかな?それとも本で読んだのかな?
とにかく、加藤先生が言っていてとっても心に響いたので覚えています。
これは、現在育児中の私にはとっても刺さる言葉。
子供はいつだって親の関心が欲しい。
プレステ欲しい~とかスマホが欲しい~とか。
すぐに実践はできなくても、この考えを知っているだけでいろいろな日常を意識的に過ごす事ができますよね。
今回はお母さんの「圧倒的な無関心」が生んだ悲劇だと思います。
高橋龍太郎先生の言う通りに、入院するなり、治療に専念するなり、しっかりと休ませてあげないと娘さんは救われませんね。
あなたはどう考察しますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。