TEL相談・もう十分。いい子にならなくていい。誰が聞いてもグッとくる!森田先生の神回

今回は人付き合いが苦手、友達と呼べる人が1人もいないという相談です。

誰が聞いても心にグッとくるアドバイスを、今は亡き森田浩一郎先生がほのぼの話してくれます。

神回です。

放送を音声で聞きたい方はこちらから

目次

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今回の相談について

パーソナリティ:加藤諦三

回答者:森田浩一郎(医学博士)

 

相談者

36歳女性

 

家族構成

夫37歳
長男10歳・長女6歳

 

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相談者の状況

 

人付き合いがとても苦手という相談。

 

相談者は人付き合いが苦手。

しかし、子供がいるのでお母さんたちと付き合わなくてはいけない環境にある。

相談者はパートもしているが、職場でも近所でもお母さん付き合いでも友達といえる人がいない。

 

人付き合いがとても下手なので、1人でいる方がよっぽど楽。

一人でいるのが嫌だ、寂しいというよりは、1人でいた方が楽かなという感じ。

 

加藤先生:

人といるのが嫌だ、居心地悪いという人は、自分1人でいるのも嫌だという人の方が多いんですけどね。

あなたの場合は1人でいる方が、居心地がいいという事ですね?

 

そうです。

 

人付き合いで、言いたい事が言えなかったりする。

自分はもっと要領よく人付き合いができないのかなと悩んでいる。

 

自分を押し殺して我慢してみたり、人と合わせてみようとしたり。

もちろん、自分の意見を言う時もあるが、なかなか持続できずにいつも結局は1人の方が楽だなと思ってしまう。

 

しかし、それでは、子供の環境的に良くないとわかっているので何とかしたい。

 

加藤先生:

言いたい事が言えないというのは小さい頃から?

親にも言いたい事が言えなかった?

 

 

そうです。

親には今でも言えません。

 

加藤先生:

小さい頃、親に言いたい事が言えなかった人は、どうしても恥ずかしがり屋になる。

そうすると、人といる事が居心地悪くなるんです。

 

でもその場合、1人でいることも嫌、孤独も嫌というんだけどね…。

あなたは1人でいる時は本を読んだりするなど、自分の趣味があるの?

 

いえ、外でも働いているし、家でも仕事をしている。

とにかく暇なのが嫌で、のんびりできるタイプではない。

 

1人でいる事を楽しんでいるというよりは、1人でいる時も仕事をしている。

何かに集中して、なるべく嫌な事から逃れる。

集中して一生懸命やれば!という前向きな気持ちで仕事をしている。

 

人と会話を続けるというのもつらい。

本当の自分を見破られたりするのがすごく嫌だし、怖い。

だから、人と親しくなるのが怖い。

 

幼少期の家庭環境については、母がとても弱い人で父親にも暴力を振るわれたりしていた。

なので、兄弟同士は仲が良いが、親が精神的に弱いので、親に心配をかけるような事は結婚してからも1回も相談した事はない。

 

「親に心配かけてはいけない」と思いながら生きてきた。

 

加藤先生:

あなたは、周囲の人がすごくあなたに批判的だと思っているんですよね。

どうしてそう思ってしまうのだと思いますか?

 

 

私自身の見方でしょうか…。

私が勝手にそう思ってしまっている…。

 

加藤先生:

そうですよね。

それは、あなた自身が周囲に批判的なんですよ。

もう少し言うと、あなたが周囲に対して敵意があるんです。

 

難しい言葉で言うと「敵意の外化」。

自分に敵意があると、人が自分に対して敵意があると思ってしまうわけです。

 

小さい頃は、それが正しかった。

あなたの母親はあなたに対して批判的だった。

 

だけど、今いる周囲の人は「失敗した」「何かやった」と、あなたに批判的だとは限らないよ。

あなたを優しい目で見てくれている人もいるでしょ?

 

 

主人は特にそうです。全部話を聞いてくれる。

主人は信じられるし、いろいろな事全部話せる。

 

少ないけど、信じられる人はいる。

自分の妹と、夫にだけは何でも話せる。

 

加藤先生:

よかったね。あなた。

それがわかっていれば、あなたそんなに悩む必要ないんじゃない?

 

あなたみたいな人は、周囲の人が「自分の裁判官・検察官」のように感じながら生きている。

みんなが私を批判しているという風にね。

 

あなた思っているよりも上手くいっているんじゃないかな?

少し考えすぎの気もしますが。

 

考えすぎですかね…。

 

 

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相談内容

相談者は人付き合いが苦手で、1人でいる方が楽。

しかし、子供の環境を考えると周囲と仲良くしないと、と思っている。

親が精神的に弱い人であるため、小さい頃から心配かけないように生きてきた。

そんな中でも、夫と妹だけは信じられるし何でも話せる。

 

回答者の意見

 

森田浩一郎(医学博士)

 

僕もあなたと同じように、誰かに会うとみんなに「いいこ」と思われたくてね。

ずいぶん苦労しましたよ。

でもね、いくらやっても能力がない時はダメなんだなって年と共にわかってきました。

 

結論から申し上げます。

あなた「いいこ」になろうとし過ぎてるんだよ。

背伸びしすぎている。

 

背伸びしたって、棚の上の物が取れる時と取れない時がある。

取れないときには、はしごとか脚立とか使わないと仕方ないんだよ。

 

あなたの場合はね、幸いにしてご主人はいい、妹さんはいい。

男の子と女の子といる。今ご家庭は幸せでしょ。

 

あなた、これ以上何を求めているの?

もっと、なんか初恋みたいな感情で男の人と恋愛がしたい?

(相談者:いえいえいえ!)

 

思わないでしょ?

それからもう一つ言いたい。

あなた自分の事、卑下しすぎてるんだよ。

 

私はね、親にも何も言えなかったと。

また、「どうして同じ化粧品を使っているのに、私はCMのあの女優さんみたいに綺麗になれないの?」「鏡を見てもちっとも良くない」とかね。

あなた感じる?

(相談者:感じます!)

 

感じるでしょ?

僕もね、いろんな女優さん知ってるけどね。

僕たちが見て綺麗だなーと思う人もみんなね、自分の顔に対してすごくコンプレックスを持っている。

 

「こんなお化粧だけど、どう思う?」と、よく聞かれる。

「綺麗だよ~!」というと、「まぁ冗談ばっかり。」って、そういう人いるよ。

 

あなた、「自分の本当の姿を見られたら嫌だ」って言うけど、見られた方が幸せじゃないの。

(相談者:あぁ…。逆にそうですね。)

 

1つだけ言いましょう。

昔、ギリシャの哲学者が「快楽主義の逆説」という事を言っている。

人間というのは、もっともっと幸せになりたい!もっともっとと快楽を求めると、一生懸命時間を使ったりお金を稼いだりしないといけない。

頑張らないとその快楽は手に入らない。

 

1つの快楽を手にすれば、必ずその快楽はどんどんエスカレートしていき望みは高くなる。

そうすると、ますます努力して頑張らないといけなくなる。

 

だから、ちょうど自分が手に入るくらいでお辞めになった方がいいんじゃないの?

という事を、今から2000年も前にギリシャの哲学者が言っているんだよ。

 

あなたも、もっと「いいこ」になろう、もっと「いいこ」になろうとね。

一生懸命自分を作ってる。

そして、今くたびれちゃってるんだよ。

(相談者:そう今…本当に疲れました…。)

 

だからこの辺でやめときなよ。もう立派なもんだよ。あなた。

自分でいろいろわかってるんだもの。

加藤先生に言われた事も、自分でわかってるでしょ、全部。

(相談者:全部わかってます。)

 

わかってるなら、これ以上わかろうとするなよ。

くたびれるんだから。無理しちゃダメ。

 

今36歳でしょ?今、女として人生の一番いい時じゃないの。

僕もね、我が家の75歳の婆さん見てね。

「あぁ~…。この人ももらった時は25歳だったか~…。」と思ってるよ。

(相談者:あはは。笑)

 

こういう気持ちでいなさいよ。

あなたもっと「いいこ」になろうとしてるけどね、もう「いいこ」なんだよ。

 

あなたが「いいこ」だから、あなたのご主人も話を聞いてくれて、妹さんも話を聞いてくれてね。

あなた今、幸せのど真ん中にいるんだよ。

 

もっともっと幸せになりたいと思ったって、それは贅沢ってもんだよ。

(相談者:はい。そうかもしれません。)

 

PTA行ったら、喋りたくなければ黙って聞いていればいいじゃないの。

俺もPTAの仕事した事あるけど、人の分まで取っちゃうPTAの役員っていっぱいいるよ。

でしゃばるお母さんとか、嫌なのがいっぱいいるよ。

 

人付き合いが下手で、喋るのが嫌で、お友達作るのが下手でって人は、みんな利口もんなんだよ。

逆に言うと、あなた全部自分の言う通りに世の中を動かしたいんじゃないの?

(相談者:うん。はい。私も逆にそういう風に思いました。)

 

あんまり「いいこ」になろうとしないで、今の幸せのまま、今のままで十分生きていける立派な方だと思います。

(相談者:あと自分を卑下してはいけないんですね?)

 

あぁ、卑下しちゃだめ。

旦那さんを大事にして、子供育てて、年をとってください。

お幸せに!

 

 

パーソナリティの意見

引用:毎日新聞

加藤諦三

 

あなた、押し殺して我慢していると言うけど、誰に対しても我慢してないというのはおかしい事ですよ。

 

美容院行っても、ラーメン食べに行っても、自分の主人に対する態度と同じように何でもかんでもべらべら言ったらそれはおかしいんじゃない?

(相談者:そうですね。)

 

人には、近い人、遠い人という風に距離があるでしょ。

その距離がわからないんじゃないですか?

(相談者:あ。それはあると思います。)

 

母親との関係がうまくいかないという人は、距離感がない。

はじめての人だから、こういう言葉遣いをしなくてはいけない、こういうマナーを守らないといけない。

一方、10年くらい付き合っている人だから、自然とこういう態度になる。

 

このように、一人一人態度が違うものなんですよ。

距離感が遠い人も近い人もいるもんですよ。

 

あなた、みんなにご主人との距離感を求めているんじゃない?

(相談者:あ、かもしれないです。)

 

そんなことやったら大変だよ?

愚痴をこぼす人と、こぼさない人と違うもの。

 

あなた、はじめて会った人にね「もう、私死にたいの…」と言われたらどうする?

(相談者:返す言葉がありません。)

 

もう逃げていきますよ。

だけど、親しい人に「もう死にたいの…」と言われたら、「何があったのよ?!」って何でもない話。

 

加藤先生締めのお言葉
誰とでも親しいと言う人は、むしろおかしいです。
明るい事はいい事だと言って、お葬式で笑ったらおかしいです。

 

リスナーの意見

 

ヘビーな相談が多い中、今回は森田先生のおかげでほのぼの聞けました。
お人柄ですね。

森田先生の言う通りだよ。
世の中自分の思い通りにしようとは思わない事。
ストレスの元だよ。

この相談者はアスペルガー気味なんじゃないのかな。
一度病院で見てもらう事をおすすめします。

私もこの相談者と一緒です。
私も人を見下してしまいます…。

加藤先生ってやっぱすごい…。

こんな人ってたくさんいるよね。
この相談者真面目そうだし。
見透かされるとか気にしないで、生きていけばいいと思います。

ままこの考察

 

いかがでしたでしょうか。

2017年にお亡くなりになられた森田浩一郎先生の神回です。

放送が古いものなので、まだ少し声がお若いですよね。

 

森田先生の回は本当に雰囲気が良くなります。

そして、言っている事が悟りの領域。

お坊さんにありがたい言葉を頂いているかのような感覚で、すんなり入ってきます。

 

「人間の幸せはほどほどが一番。」って、2000年も前から言われていた事なんですね。

誰が聞いてもズシっとくる言葉。

いちリスナーの私まで目が覚める思いです。

 

私が個人的に思ったのは、この相談者「友達がいないけど寂しい誰かといたいというのは無く、一人でいる方がいい」と言い切っていましたよね。

よっぽど夫婦関係、妹との関係で心が満たされているんだなと思いました。

 

絶対的な自分の居場所があるからこその発言。

この人、その他のコミュニティでの孤独を恐れていないんですよね。

やっぱり十分幸せだよ。

 

この相談者にとって、「もう十分いい子なんだから、これ以上いい子になるのはやめなよ。疲れちゃうよ。」という言葉はこれ以上ないアドバイスだったのではないでしょうか。

 

テレフォン人生相談を聞いていると、「この相談者納得いっていないでしょ、わかってないでしょ。」と終わる回も珍しくないのですが、この相談者の心から納得したような反応が印象的な回でした。

 

お亡くなりになられた森田先生の声が聞ける回いかがでしたでしょうか。

今後も、レジェンド回答者の回もアップしていけたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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