TEL相談・親子は化学反応!子育てを反省するな! 長男の暴力に悩む母に三石砲

今回は、「こうなったのは親のせいだ」と暴れる30歳の長男に悩む母親からの相談です。

あれが悪かったかな、これが悪かったかな…と悩む母親に、三石砲炸裂。

「親子は化学反応。だから子育てを反省するな。」とは、どういう意味でしょうか?

では参りましょう。

放送を音声で聞きたい方はこちらから

目次

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今回の相談について

パーソナリティ:ドリアン助川

回答者:三石由起子(三石メソード主宰・作家・翻訳)

相談者

66歳女性

 

家族構成

夫60歳
長男30歳
次男29歳…既婚

※現在、相談者と夫と長男の3人暮らし

 

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相談者の状況

 

30歳の長男の相談。

 

長男は20歳くらいから、仕事がうまくいかないようで長続きしない。

最近、就職できたが、給料が安かったりして、息子はプライドが高いので「僕はこんなもんか」という感じで暴れたりするようになった。

 

その原因としては、息子は小学校の頃に野球をしていた。

当時、かなり上手かったが、中学に入り、暴力を振るうような監督だったため、失敗したら叩かれたりしていた。

すると、息子は「僕は野球が嫌いになった」と言い出してしまった。

 

息子が言うには、「野球でずっと自信がついていたのに、その時に自信を失わされて、未だにそれが人生にマイナスに働き、全てうまくいかない。」

「それは、野球を辞めたいと言っていたのに、親が辞めさせなかったから、こうなった。」「親の責任だ。」と、毎日のように言い続けてくる。

 

本人も気持ち的に辛いだろうと思って、そういう気持ちを納得というか、緩和させてあげたい。

 

相談者は66歳で夫も66歳。

長男の他に、29歳の弟がいる。29歳の次男は問題なく、現在結婚していて子供もいる。

 

また、長男は高校も中退している。

高校卒業の資格は取ってるが、芸能界を目指すスクールなどに通ったりしていた。

たぶん、目立ちたがりなんだと思う。

 

そして、未だに「プロ野球選手になりたかった」とか、そういう気持ちを持っている。

なので、何をしても上手くいかないと…。

 

それは、「中学の時の野球の監督がいたせいで、野球が嫌いになって何をするのも嫌になった」という事を、未だに言っている。

恐らく、彼女もできた事がないし、現在いないから、余計怒っているのだと思う。

 

一方、男友達はいるようだが、ずっと会っていない。

息子がずっとおかしな事を言っているので、友達は離れていくのかな…と思っている。

 

弟の仲は、悪いわけではないけど、弟は社会に出ているので、普通の話はできるが理解しようとはしない感じ。

 

ドリアン助川:

それで、今自分がこういう運命にあるのは、親のせいだと。

実際に「嫌でも野球やりなさい」「続けなさい」と言っていたんですか?

 

 

もちろん。

私たちは、「せっかく入ったんだから続けたら?」とは言った。

 

そして、辞めるにしても「自分で言いにいきなさい」というのが、1つの教育かな?と思って。

でも、1人で行かせた事も悪かったとも思っている。

 

その時にかなり厳しく言われたような…。だから、それがずっと尾を引いているのかな、とは思っている。

それまで、周囲の人に良く言われてきたから、突然立ち位置が無くなったように思ってるんだと思う。

 

今は「こうなったのは親のせいだ!」と言って、毎日暴れる。

夫婦に対して暴力は無いが、物を投げたりとか、本を壁に投げつけたりする。

 

言葉の暴力もあり、かなり酷い言葉を相談者夫婦にあびせる。

(ドリアン助川:どんな言葉ですか?)

 

言うに言えないような言葉も言うし、怖いことを言ってくる。

この現状をどうしたらいいでしょうか。

 

 

 

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相談内容

30歳の息子がプライドが高いせいで仕事がうまくいかず、長続きしない。

息子はずっと野球をしてきて、かなりうまかったが、中学の時暴力を振るう監督のせいで辞めた。

野球を辞めたいと言った時、相談者は「もう少し続けたら?」と言った。

さらに「辞めるなら自分で監督に言いに行きなさい」と1人で行かせた。

その時に、監督に厳しく言われたのもあり、そんな風にさせた自分が悪かったかな…と思っている。

現在、長男が「こうなったのは親のせいだ」と暴れている状態でどうしたらいいか。

 

回答者の意見

引用:三石由起子HP

三石由起子(三石メソード主宰・作家・翻訳)

 

あなたは、「親として何かしてあげられる事があるんじゃないか」と思ってるから、悩んでるんだと思う。

しかし、今、親ができる事って何もないですよ。

 

一番大事なのは、今30歳の息子に親ができる事は何もないんだと、あなた自身が認識する事。

そして、もう1つは「私ができる事は何もないんだ」という事を息子にはっきり伝える。

これが大事だと思う。

 

言葉遣いを叱るというのは、親のプライドとしてした方がいい。

息子さんは甘ったれで、恐らく他の所では当たれないから、家に来てママに当たるって感じじゃないですか?

(相談者:はい。多分そうだと思う。)

 

それは、いくら親でも、聞いてる方としては不快になるわけでしょ?

「その言葉遣いは無いだろう」と怒る事と、「私が今、出来る事は何も無いんだ」という事を、言うのが良いと思う。

 

親として、息子さんがいつまでもグズグズ家にいたら経済的に困るというのはありますか?

(相談者:今のところは無いです。)

 

そしたら、次男は独立しているわけだから、「過去の事については悪かったね」と言っちゃうのも手なんです。

「ごめんなさいね。」と。

 

でも、その過去というのは取り戻せないわけだから、「過去は取り戻せないし、今自分ができる事は何もない」

「ただね、あなたがいつまでも家にる事、この家で暮らして、食べるくらいの事はしてあげるよ?」と言ってしまう方法もある。

 

そして、もう1つは叱る事。

「いつまでも過去を語ってないで、未来を語っても良い年だろう」と。

 

あなたがやってきた事が間違いなんじゃないか、という悩みもあると思うけど…中学生の時の野球部の話ですけどね。

 

親と子というのは、化学反応みたいなもので、同じ条件で子育てをしても上手くいく事もあれば、変になる子もいるわけ。

それは、やってみないとわからないですよ。

 

だから、そういうノウハウがあれば、誰も子育てで悩まないはずでしょ?

これまで、ずーっと人間は生きてきているのに、そのノウハウは無いんだから、もうどうしようも無いって事ですよ。

 

だから、大事なのはあなたが過去を反省する必要が無いっていう事を、あなたが自覚する事ですよね。

 

それと、30過ぎた息子に「言葉遣いがみっともない」「親にそういう言葉はおかしいでしょ」と言えるのは母親だと思いますよ。

それで、愚痴を言うなら聞いてあげますってね。

 

あくまで愚痴ね?

「他の所で言えないんだろうから、私にどうぞ当たってください」「愚痴を言うなら聞いてあげます」という所までの姿勢を、あなたが見せる。

 

ハッキリさせないと、子供って混乱するんですよ。

本当はね、30歳にもなれば自分が悪いってわかってるし、自分のせいだともわかっている。

 

母親に言っても何もならないとわかっているんですよ。

全部わかって、やっている事だから。

 

それに付き合って、あなたが悲しい気持ちにならないならいいんですけど。

でも、今あなた悲しい気持ちになっているんだから。

 

やっぱり1回はね。

「悪かったわね」「でもどうしようもない。私ができる事はない」って言うのは1つの手。

 

あとは、毅然として叱り続けたらいいと思う。

(相談者:ただ、先生?30歳の子供に叱って聞くもんでしょうか…)

 

言葉遣いが悪いって叱り方できるじゃないですか?

聞く、聞かないって、そういう口をきいたら答えなきゃいいんですよ。

 

「そういう言葉遣いはもう聞きません」って、こっちが拒否する事ですよね。

そして、あなたの中には誤解があって、まだ何かしてやれる事があるじゃないか?と思っているでしょ?どこかで。

(相談者:あぁ。そうですね。)

 

うん。そこが誤解だと私は思うのね。

30歳の男性に何もすることは無いです。

 

あなたがまず自覚しなきゃダメだし、無いし出来ないとわかれば、そうそう悲しくはならないもの。

「あぁ。また当たってるわ…」って思うくらいの事。

 

汚い言葉なら私は返事をしないという覚悟を決めて、自分の心をガードする。

息子さんもそれをわかってやっている事だと思うから。

(相談者:あぁ。そういう所も見えますよね。)

 

そうだと思いますよ。

これは、あなたが悲しがって悩む事ではないと思います。

 

1回叱ったらどうですか?

過去の事をまだ親の責任だと言い出したら、「それはわかってる。それは認めるけど、私が今してあげられる事は残念ながら何もないんだ」と、一度はっきり言う必要があると思う。

 

馬鹿じゃないからね、30の男って。

いいように八つ当たりの相手にされてるだけだと思うんですよね。

 

きっと、「あぁ。また私にやってるんだー」くらいの心の余裕があなたにできれば、今までの生活で良いと思う。

でも、あなたは実際に不快になってるし、悲しくなってるから。

 

この子、甘えてやってるのは百も承知なので、息子に伝えるべきだと思います。

 

 

パーソナリティの意見

引用:Wikipedia

ドリアン助川

 

何よりも、お母さんに、必要以上の苦しみや悲しみがたまらないように。

(相談者:わかりました。ちょっと挑戦してみます。ありがとうございました。)

 

 

リスナーの意見

わかる!
ここで甘やかしたら、ニートおじさん確定だと思う。
将来、弟夫婦に迷惑かけないように、お母さんしっかり指導しないと。

野球のエースって挫折すると、このパターン多くない?
実は恐ろしいスポーツ…。

お母さん家庭内暴力の相談の割には、なんだか余裕だよね。
困ってるというより、もう心理的に見放してるのかな。

今日の相談。
三石先生「頑張れ!頑張れ!」じゃなくて、「ほっとけ!ほっとけ!」

三石先生の「親子は化学反応」って、かなり納得。

ままこの考察

いかがでしたでしょうか。

この回を紹介したかったのは、三石先生のこのお言葉につきます。

親と子というのは化学反応。
やってみないとわからないですよ。

アドレナリン出たー!まじ神。

 

テレフォン人生相談を聞いていると、甘えの欲求を満たせだの、甘やかしすぎだの…母親の正解を教えてくれ~状態なんですよね。

世のママさん。みんな、子供の事を思って一生懸命やってるわけじゃないですか。(一部の本当に酷い毒親を除いて)

 

「同じことをしても立派に育つ子もいれば、問題が起きる子もいる。」

「そんなノウハウあれば、誰も子育てで悩んでない。」って、まさにその通り。

なんだか母親として救われた…。

 

そして、この相談、こちらの相談者と非常に状況が似ています。

こちらは、夫から「なぜあの時仕事を辞めさせてくれなかったんだ」と毎日責められているという相談です。
こちらの大原先生と加藤先生の回答もかなり参考になるので是非、あわせて読んでみてください。

 

こちらの回で大原先生は、こうなる原因は5歳以下の親子関係で満たされていない事が原因と言っています。

そこで私は、ピンときました。この長男と次男、年子なんですよね。

 

年子が悪いと言いませんが、年子はやはり上の子が我慢する場面は多いもの。

親子の愛着問題も関係あるのでしょうか…。

 

恐らく、この息子さんも上の相談者の夫と同様「退却神経症」に近い症状だと思います。

退却神経症は、正式な社会的な評価を避けるため、社会から撤退してしまう事。

それには、以下のような心理が働いていると言われています。

 

退却神経症の心理

本気を出して挫折したくない

本気を出せばうまくいくという可能性を残しておきたい

社会的に低く評価されたくない

 

この息子さんの場合は、過去の栄光のせいで、理想が高くなりすぎた事が一番の問題だと思います。

カウンセリングなどを受けて、高くなり過ぎた目標を低く設定できるように意識する事も有効だと感じました。

 

また、このタイプって職場に理想となる先輩や上司を見つける事で、急に意欲的になるケースがあると言われています。

なんとなく、この長男にも当てはまる気がするのですが…。

職場で理想の先輩や「あんな風になりたい!」と思えるかっこいい人を見つければ、すんなり会社に行きそうな…。
どうでしょうか。

 

 

さらに、ここは推測になりますが、この息子さん。

中学の頃、「野球がうまい自分」しか、親に認めてもらえない感覚があったのではないでしょうか。

 

だから、三石先生が言うように「悪かった。ごめんね。」と言いつつ、当時言ってあげられなかった「野球がうまくなくたって、いろんな道があるよ。」「立派にできなくたっていいんだよ」という、親の大らかな言葉も彼には必要なのかな…と思います。

ちなみに、加藤先生と大原先生は「子供に子育てを謝るな」と言いますが、私は謝っていいと思う…。
「あの頃のお母さんは、それが正しいと思ってやってしまっていた。でも違ってたんだね。ごめんね。」
と言われて、救われる子もいると思う。

 

あなたはどう考察しますか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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